アレルギー性鼻炎のレーザー治療
アレルギー性鼻炎のレーザー治療
当院では、アレルギー性鼻炎に対する炭酸ガスレーザーによる治療を行っております。アレルギー性鼻炎では、アレルギーを起こす原因物質(アレルゲン)を吸入することによって、鼻の粘膜でアレルギー反応が起こり、くしゃみ・鼻水・鼻づまりといった症状が現れます。レーザー治療では、鼻の粘膜を焼くことによって粘膜を変性させて、鼻でのアレルギー反応が起こることを防ぐようにする治療です。目のかゆみなどのアレルギー性結膜炎の症状には効果はありません。
薬物治療でアレルギー性鼻炎による症状が十分に抑えられなかった方(特に鼻づまりがある方)や様々な理由からの内服することが難しい方にレーザー治療は検討されます。
ダニ・ハウスダストなどが原因の通年性アレルギー性鼻炎の方は基本的には、いつの時期でも治療は可能ですが、症状のひどくないときに治療をします。季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の方は該当する花粉症の時期でないときに手術します。これは、レーザー治療後に2~3週間ほど一時的に鼻の症状が悪化するためです。そのため、スギ花粉症の方はではなるべく12月頃まで、遅くとも1月初旬までに手術を受けることをお勧めしています。またその他の花粉症(ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、イネなど)の治療の時期に関してもお気軽にご相談ください。
レーザー治療による効果は永続的ではありません。個人差がありますが、治療による効果はおおよそ6か月から2年程度持続するといわれています。治療による効果が薄れてきた場合は、再度レーザー治療をすることが可能です。
術後2~3週間は、レーザー処置による鼻の粘膜の炎症による腫れや創部のかさぶた、分泌液によって一時的に鼻づまりがひどくなります。術後の創部の処置のために定期的に受診いただき鼻の清掃を行います。また粘膜が荒れているので一時的に鼻血がでやすい状態になります。そのため、手術当日は激しい運動や飲酒は禁止となります。強く鼻をかむこともお控えください。
鼻中隔弯曲のひどい方は鼻腔に器械を入れるスペースを確保できずに処置が不十分となる可能性があります。また、治療中に安静を保てない方は処置が困難となります。
レーザー治療はアレルギー性鼻炎を根治させるものではありませんのでご注意ください。
まず一般外来を受診していただき、鼻腔を診察して、鼻粘膜や鼻中隔の状態を確認します。また、必要に応じてアレルギー検査を行い、どのアレルゲンにアレルギーがあるか確認があるのかを確認して、レーザー治療の適応を検討します。他院で実施したアレルギー検査の結果がある方はご持参ください。ご本人のご要望なども踏まえてレーザー治療の適応があると判断した場合は、手術日程の予約をさせていただきます。
1.アレルギー検査
医師が問診・診察し、鼻の状態を診察します。また、アレルギー検査を行います。
他院で実施したアレルギー検査の結果がある方はご持参ください。古いものでしたら再検査をお勧めしています。
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2.レーザー治療
アレルギー検査の結果を確認し、レーザー治療の適応と判断した場合は手術日時を相談・予約し、レーザー治療を行います。
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3.経過観察
術後の創部の処置のために定期的に受診いただき鼻の清掃を行います。
手術前日や当日の食事の制限などは特にありません。
まず、スプレーと綿棒を使って鼻の粘膜に麻酔をします。さらに麻酔の薬を含んだ小さなガーゼを鼻腔に挿入して麻酔を20分行います。20分経過後にガーゼを鼻から抜いて、レーザーで鼻の粘膜を焼きます。手術にかかる時間は約10分です。その後、止血を確認して帰宅となります。手術当日の所要時間1時間ほどかかります。手術後は、感染予防のための抗菌薬や消炎鎮痛薬を処方いたします。
保険診療で治療可能で、費用は3割負担の方で約1万前後になります。