耳の症状
耳の症状
その他お悩みについてもお気軽にご相談ください。
耳は、音を聴くという「聴覚」と体のバランスをとる「平衡感覚」の2つの機能が備わっています。耳は、外耳(耳介、外耳道)、中耳(鼓膜、鼓室、耳管)、内耳(蝸牛、前庭、半規管)の3つから構成されます。
外耳では、耳介で空気の振動である音を集めて外耳道を介して中耳へと伝えます。中耳では、伝わってきた音を鼓膜で受け止め、耳小骨を介して音の大きさを増幅して内耳へと伝えます。内耳の蝸牛へ伝えられた音の振動は電気信号に変換され、蝸牛神経を通して脳へ伝達されて聴覚となります。また、内耳にある半規管が回転加速度を、前庭が直線加速度や重力を感知して平衡感覚となります。耳にはこのような機能が備わっているため、障害されると様々な聴覚や平衡感覚に関わる症状が現れます。
その他症状についてもお気軽にご相談ください。
耳垢とは:耳あかは、外耳道の皮膚が剥がれ落ちたものと外耳道の分泌腺である耳垢腺(アポクリン汗腺)からの分泌物や皮脂などが混ざって形成されたものです。
原因と症状:耳あかには、カサカサしたもの(乾性)とベタベタしたもの(湿性)の2種類があります。耳あかのタイプは生まれつき遺伝的に決まっているもので、この違いは外耳道に存在するアポクリン汗腺の数によるものとされています。外耳道にアポクリン汗腺が多い人は、外耳道から分泌される汗の量が多くなるのでベタベタの耳あか、アポクリン汗腺が少ない人は汗の量も少なくなるのでカサカサの耳あかになります。日本人は約7割が乾燥した耳あかといわれています。
耳あかは外耳道の皮膚の働きにより自然と少しずつ耳の外に排出されていますので、頻回の耳掃除は必要なく、月1回程度で十分とされています。過剰に耳掃除をしすぎると外耳炎を引き起こすことも考えられます。場合によっては耳かきや綿棒によって耳あかが奥に押し込まれる形になって、外耳道が完全に詰まってしまい聞こえが悪くなるという危険性もあります(耳垢栓塞)。
治療:もし耳垢栓塞になってしまい耳あかが詰まってしまった場合は、これを除去します。耳あかが硬かったり、量が多かったりして除去しにくい場合は、「耳垢水」と呼ばれる耳垢を柔らかくする点耳薬を使用します。次回来院前にご自宅で耳垢水で耳垢を柔らかくしていただいたうえで、クリニックにて除去します。
外耳炎とは:耳の穴の入口から鼓膜までの間の部分を外耳道といいます。この部分に炎症を起こした状態を外耳炎または外耳道炎といいます。外耳道の皮膚は非常に薄く、少しの刺激で傷がついたり荒れたりします。何らかの原因で外耳道の皮膚に傷を作ってしまい、そこに細菌や真菌が感染して発症する場合が多くみられます。
原因:原因としては、耳掃除や長時間のイヤホン・耳栓の装着による外耳道への機械的刺激や水泳、入浴の際に水が外耳道内に入り込むことなどによります。アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患のある方、補聴器装用をしている方なども発症しやすくなります。
症状:主な症状としては、耳の痛み、かゆみ、耳だれ、皮膚の発赤、圧痛、口を開けると痛いといったものがあります。ひどくなると難聴や耳のつまり感(耳閉感)をともなう場合もあります。
検査:外耳道の腫れや皮膚の赤みの様子を確認します。適切な治療を行うために原因となる細菌の種類を調べるため、膿や分泌物の培養検査を行う場合もあります。外耳炎の原因菌として黄色ブドウ球菌が最も多いです。
治療:外耳道を清潔に保ち、物理的な刺激を避けるようにします。薬による治療が必要と判断した場合は、適切な抗菌薬の点耳薬、軟膏、内服薬や消炎鎮痛剤などを使用します。かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬を使用することもあります。また、真菌や抗菌薬抵抗性の細菌が原因である外耳炎の場合は、生理食塩水を用いた耳洗浄の処置を行うこともあります。
急性中耳炎とは:急性中耳炎とは、主に細菌が中耳に入り急性に炎症を起こす病気です。
原因:風邪をひいたときなど、鼻やのどの炎症に引き続き起こることが多く、細菌やウイルスが耳管(鼻の奥と中耳腔をつなぐ管)を通って中耳に炎症を引き起こします。炎症を起こす原因のほとんどが細菌による感染症で、肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラキセラ・カタラーリスが主な原因です。比較的、3歳以下の小さなお子さまに多くみられます。これは、小さなお子さまの耳管は未発達のため、大人と比べて太く短く、また角度も水平に近い為、鼻やのどから細菌などが中耳へ侵入しやすい構造になっているからと考えられています。このため、風邪をひいたとき、鼻やのどに病気が起こったときなどは、特に中耳炎にかかりやすいとされています。また、小さなお子さまは免疫力が低く、保育園や幼稚園などでお互い触れ合う機会も多いため、唾液や鼻汁を介して細菌やウイルスに感染しやすい環境にあります。そのため、風邪をひくことも多くなります。結果として急性中耳炎にかかりやすくなります。
症状:症状としては、鼻水やのどの痛みなどの症状に続いて、激しい耳の痛み、発熱、耳だれ、耳のつまり感(耳閉感)、難聴などを感じます。「耳が痛い」ことをうまく伝えられない小さなお子さまでは、機嫌が悪く泣いたり、頻繁に耳に手を当てるといった仕草があります。
検査:鼓膜の腫れや赤み、耳だれの様子を耳鏡を使って確認します。適切な治療を行うために原因となる細菌の種類を調べるため、膿や分泌物の培養検査を行う場合もあります。
治療:治療は、症状の程度に応じて異なります。軽症の場合、3日間は抗菌薬を使わずに経過観察することがあります。ただし乳幼児の場合は、早めに抗菌薬を使用する場合もあります。痛みや発熱がある場合は、解熱鎮痛薬を用いて症状を緩和します。中等症以上であれば、3~5日程度の抗菌薬の内服による治療を行います。重症化している場合は、抗菌薬の内服による治療を行いつつ、鼓室内に溜まっている膿を排膿するために鼓膜切開術を施すこともあります。鼓膜切開術によって耳の痛みの軽減や熱を下げることを目的としています。
滲出性中耳炎とは:鼓膜の内側である中耳(鼓室)に貯留液が溜まった急性炎症症状を伴わない中耳炎を滲出性中耳炎と呼びます。
原因:発症の原因として耳と鼻をつなぐ耳管の働きが悪くなることによります。耳管の働きが悪くなると中耳内圧が低下し、中耳の粘膜から液体が染み出してきます。染み出てきた液体が貯留すると滲出性中耳炎となります。小児の場合は急性中耳炎からの移行や、かぜ、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、アデノイド増殖症などが原因となります。小児は耳管の機能がもともと未熟であるため、感染などによる炎症が加わることによってさらに耳管の働きが悪くなり発症します。大人では、加齢による耳管機能の低下や上咽頭がんによる耳管の閉塞や狭小化によって発症することがあります。
症状:症状として、耳のつまり、難聴、耳鳴り、自分の声が耳に響く(自声強聴)などがみられます。発熱や耳の痛みはみられません。症状を訴えられない小児の場合、テレビの音量を大きくして聞いている、名前を呼んでも振り向かない、返事をしないなどといったことで発見されることがあります。小さなお子様の場合、滲出性中耳炎の放置が続くと言語発達にも影響が及ぶ可能性があるため注意が必要です。
検査:鼓膜の様子を耳鏡を使って確認します。聴力検査を行い、聴力を確認します。また、ティンパノメトリー検査で鼓室の中の滲出液貯留の状況を確認します。
治療:治療としては、原因が特定されていれば、原疾患(鼻炎や副鼻腔炎)の治療を行います。滲出性中耳炎が遷延する場合、手術療法として、鼓膜に小さな穴を開け、その部分にチューブを挿入し、滲出液を排出する鼓膜換気チューブ留置術、鼓膜を切開して滲出液を排出していく鼓膜切開術などを行います。アデノイド増殖症が原因と考えられる場合は、アデノイド切除術を行うこともあります。
耳管開放症とは:鼓室と鼻は耳管という管でつながっています。耳管は普段は閉じていますが、あくびや唾を飲み込んだときなどに瞬間的に開き、またすぐ閉じることによって中耳の圧を調節しています。この耳管が持続的に開いている状態を耳管開放症といいます。
原因:原因として体重減少や、脱水、妊娠やピル(経口避妊薬)、加齢などがあります。
症状:自分の声が大きく響く(自声強聴)、耳のつまり感(耳閉感)、自分の呼吸の音が大きく聞こえる(自己呼吸音聴取)といった症状がみられます。また、布団に横になったり、深くおじぎをするように頭が下がると、耳管の周りの血管が膨らんで耳管が圧迫されて管が狭くなるため、症状が一時的に軽減されるというのが一つの特徴です(※耳管の開放が重度の場合は姿勢の変化による症状の軽快がみられないこともあります。)
検査:鼓膜の様子を耳鏡を使って確認します。また、聴力検査を行い、聴力を確認します。
治療:体重減少が原因の場合は、体重の増量やこれ以上体重を落とさないようにします。夏場は脱水によって耳管開放症になりやすいため、こまめな水分摂取をすることが大切です。耳管周囲の血流を増加させるために、末梢循環改善薬や漢方薬などの内服薬を使用することもあります。また、生理食塩水の点鼻をすることによって耳管の入口を湿らせて、空気を抜けにくくさせるようにすることもあります。
突発性難聴とは:特に前兆もなく、突然の難聴を生じる原因不明の病気です。多くはどちらか片側の耳の難聴ですが、まれに両側のこともあります。
原因:原因はまだ明らかにされていません。内耳への血流の障害や何らかのウイルス感染などいくつかの機序が考えられていますがはっきりとしていません。
症状:突然に発症する難聴、耳鳴り、耳のつまり感(耳閉感)などの症状が現れます。めまい症状を伴うこともあります。後述のメニエール病と異なり、突発性難聴のめまい症状は1回きりで繰り返すことはありません。特に、50~60代の世代の方が発症しやすいといわれています。
検査:鼓膜の様子を耳鏡を使って確認します。また、聴力検査を行い、聴力を確認します。めまい症状がある場合は、眼振検査で眼振(めまいが起きているときに認められる自分の意志とは無関係に起こる眼球運動)の観察、重心動揺検査で身体のバランスを調べることもあります。
治療:治療が遅れると聴力の回復が難しくなることが多いので、早期治療が大切です。そのため、難聴や耳鳴りなどの症状が現れた際は、お早めにご相談ください。治療は、ステロイドを中心に、血流改善薬、ビタミンB12などを組み合わせた薬物治療を行います。
突発性難聴では、聴力予後は一般的に不良といわれています。ステロイド治療を行った場合でも、約1/3の人がもと通りに治癒し、約1/3の人は部分的な回復にとどまり、約1/3の人は難聴は回復しないといわれています。高度の難聴、高齢、めまい症状の随伴、治療開始の遅れがある場合は聴力予後は不良であることが多くなります。
メニエール病とは:耳鳴り、難聴、耳のつまり感(耳閉感)などの聴覚症状を伴うめまいの発作を反復する病気です。内耳を満たしている内リンパ液が過剰となり、内リンパ水腫が生じることによって発症します。
原因:内耳は内リンパ液という液体で満たされています。この内リンパ液は毎日新しく産生され、一方では体内に吸収されることで一定の量に維持されています。この産生と吸収のバランスが崩れることによってメニエール病が発症します。疲労や睡眠不足、ストレス、気圧の変化などをきっかけに内耳を満たしている内リンパ液の産生過剰や吸収障害が起こり、内耳のむくみである内リンパ水腫が生じます。内耳の蝸牛で内リンパ水腫が起きると聴こえの細胞(有毛細胞)が圧迫されるため耳鳴りや難聴が起こります。前庭、半規管で内リンパ水腫が起きるとめまい症状が起こります。
症状:耳鳴りや難聴、耳のつまり感(耳閉感)などの聴覚症状を伴うめまいの発作を反復します。聴覚症状は、めまい発作前もしくは同時に現れ、めまい発作とともに強くなり、めまいが軽減するにしたがって軽減します。めまい発作の症状は、数十分から数時間ほど持続します。めまいに吐き気や嘔吐を伴う場合もあります。聴覚症状はメニエール病の初期では低音部のみが一過性に障害されますが、めまい発作を繰り返してメニエール病が進行するにつれて徐々に高音部にも難聴が進行していくため、めまい発作の予防と治療が大切になります。また、初期では片側の耳だけことが多いですが、進行するにつれて両側の耳に聴覚症状が現れるようになることもあります。
検査:鼓膜の様子を耳鏡を使って確認します。聴力検査を行い、聴力を確認します。また、眼振検査で眼振(めまいが起きているときに認められる自分の意志とは無関係に起こる眼球運動)の観察、重心動揺検査で身体のバランスを調べます。
治療:治療は、薬物の内服治療と疲労・睡眠不足を避ける体調管理やストレス発散などの生活指導が重要となります。薬物治療として、めまいを抑える薬や内リンパ水腫を軽減する薬、血流改善薬、ビタミンB12などを状況に応じて組み合わせて使用します。難聴の変動が重度な時はステロイドを使用することもあります。
急性低音障害型感音難聴とは:突然発症する低音が障害される難聴です。低い音が障害されるので、耳のつまり感(耳閉感)を自覚症状とされることが多いです。
原因:疲労、睡眠不足やストレスなどをきっかけに発症します。メニエール病と同様に内リンパ水腫が関係していると考えられています。
症状: 20~40代の女性に多くみられます。特に前兆なしに突然、耳鳴り、難聴、耳のつまり感(耳閉感)などの症状を自覚します。低音域が障害されるので、難聴というよりも耳のつまり感(耳閉感)として感じされる方が多いです。また、耳鳴りは低い音であることが多いです。比較的治療に対する反応は良く、聞こえは回復することが多いですが、症状を再発・反復することがあります。反復していくうちにメニエール病に移行してしまう方もいます。
検査:鼓膜の様子を耳鏡を使って確認します。また、聴力検査を行い、聴力を確認します。
治療:疲労、睡眠不足、ストレスなどが原因となりますので十分と休息をとることが大切です。薬物治療として、内リンパ水腫を軽減する薬、血流改善薬、ビタミンB12などを状況に応じて組み合わせて使用します。難聴の変動が重度な時はステロイドを使用することもあります。繰り返していくうちにメニエール病へ移行する方もいらっしゃいますので、症状が現れた場合は早めに受診するようにしましょう。
音響外傷・急性音響性難聴とは:爆発音やコンサート会場などで発生する非常に大きな音を聞くことによって引き起こされる、難聴や耳鳴りなどの聴力障害です。
原因:爆竹や花火などの爆発音を近くで聞く、コンサート会場のスピーカーの近くで大きな音を聞く、イヤホンで大音量の音楽を聴くなどといったことがきっかけになります。強大音によって蝸牛にある聞こえの細胞(有毛細胞)が障害されて引き起こされます。
症状:大きな音を聞いた後に耳鳴り、難聴、耳のつまり感(耳閉感)などの症状が現れます。耳の痛みやめまいを感じることもあります。片側の耳で起こることもあれば、両側の耳で起こることもあります。
検査:鼓膜の様子を耳鏡を使って確認します。また、聴力検査を行い、聴力を確認します。
治療:治療は、ステロイド、血流改善薬、ビタミンB12などを組み合わせて使用します。難聴の症状を放置すると聴力の回復が難しくなります。上記の症状がありましたら、速やかにご相談ください。
騒音性難聴とは:長期的に騒音にさらされることによって徐々に耳鳴り、難聴を生じる聴覚障害です。
原因:工事現場や工場の仕事に従事するなど長期間にわたって騒音を聞くことによって起きます。長期間の騒音に曝露により蝸牛の聞こえの細胞(有毛細胞)が障害されることによって発症します。障害を受けた有毛細胞は再生しないため、騒音性難聴による聴力障害は不可逆的なものとなってしまいます。
症状:初期は症状を自覚しないことが多いですが、徐々に耳鳴り、進行すると難聴を自覚するようになります。多くは両側の耳で症状が起きます。難聴は、高音域から始まりますが、進行すると全周波数において聴力が低下します。
検査:鼓膜の様子を耳鏡を使って確認します。また、聴力検査を行い、聴力を確認します。
治療:現時点では、有効な治療法はありません。そのため、騒音環境下では耳栓などを使用して大きな音を聞かないようにする予防が重要となります。また、定期的な聴力検査を行うことによって症状の進行を確認することも大切です。
加齢性難聴とは:加齢以外に特別な原因がない難聴を加齢性難聴といいます。
原因:内耳にある蝸牛や音を伝える神経細胞(らせん神経節細胞)の加齢による変化が原因と考えられています。加齢による変化によって蝸牛にある聞こえの細胞(有毛細胞)やらせん神経節細胞が障害されて、その数が減少してしまうことによってうまく音を伝えられなくなってしまいます。
症状:発症の時期や進行の程度は個人差が大きいですが、年齢の経過とともに両側の耳で徐々に高音域の難聴や耳鳴りを自覚するようになります。難聴はゆるやかに進行していき、徐々に中~低音域にも難聴がみられるようになります。また、言葉の聞き取りも悪くなります。
検査:鼓膜の様子を耳鏡を使って確認します。また、聴力検査を行い、聴力を確認します。
治療:加齢性難聴によって生じた難聴を回復させるには有効な治療法は現時点ではありません。そのため、日常生活に支障を来す難聴のある方には補聴器の装用することによって聴力を補います。また、はっきりとした口調でゆっくりと話すなど周囲の方々のコミュニケーションの配慮も大切となります。聞き返しが多い、言葉が聞き取りにくいなど日常生活にご不自由を感じて補聴器の使用を検討中の方やお持ちの補聴器が合わない方などは一度ご相談ください。
良性発作性頭位めまい症とは:耳が原因であるめまいの中で最も多いのがものになります。頭を特定の位置に動かしたり、寝返りをうった時にぐるぐる回るめまいが短い時間起こります。
原因:内耳の前庭にある耳石(小さなカルシウムの結晶)がはがれてしまい、半規管の中に入り込んでしまうことによって起きます。頭をぶつけたり、横になっている時間が長かったりすると耳石がはがれやすくなります。また、耳石は骨と同じカルシウムを成分とするため、骨粗鬆症や閉経なども発症の要因となります。
症状:起床時に起きる上がるとき、寝返りや美容院の洗髪で横になった時など頭を特定の位置に動かしたときに数十秒~1分以内程度のめまいが起こります。頭を動かさずに安静にしていると徐々にめまいは軽快し、おさまります。耳鳴りや難聴などの症状はありません。
検査:眼振検査で眼振(めまいが起きているときに認められる自分の意志とは無関係に起こる眼球運動)の観察、重心動揺検査で身体のバランスを調べます。
治療:めまいの症状は自然に回復していくことが多いです。めまいの症状が強い場合には、症状を抑えるために、めまい止めの内服薬を使用することもあります。自然に軽快しにくい場合には、めまいのリハビリ療法を指導することもあります。
前庭神経炎とは:吐き気や嘔吐を伴う突然の激しい回転性めまいを引きおこす病気です。難聴や耳鳴りはありません。
原因:内耳の前庭・三半規管から脳へと平衡感覚を伝える前庭神経に何らかの原因で炎症が起き、障害されることによって引き起こされます。ウイルス感染が関与しているという説がありますが、詳しいことはわかっていません。
症状:突然の激しい回転性のめまい起きます。吐き気や嘔吐を伴うことが多いです。耳鳴りや難聴はありません。回転性のめまいは数日間続き、その後徐々におさまっていきます。数週間から数か月後までふわふわするような感覚や運動したときのふらつきが続きます。
検査:眼振検査で眼振(めまいが起きているときに認められる自分の意志とは無関係に起こる眼球運動)の観察、重心動揺検査で身体のバランスを調べます。
治療:めまい症状が激しいとき安静とし、めまいや吐き気を抑える薬を使用します。めまい症状が激しく日常生活に支障を来す場合は、激しいめまいが落ち着くまで入院となることもあります。回転性のめまいが落ち着いた後でも、ふらつきが長期間続くこともあるため、リハビリテーションを行うこともあります。