補聴器外来
補聴器外来
当院では、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会から委嘱された「補聴器相談医」が補聴器についてのご相談をお受けします。聞き返しが多い、言葉が聞き取りにくいなど日常生活にご不自由を感じて補聴器の使用を検討中の方やお持ちの補聴器が合わない方などは一度ご相談ください。耳鳴りにも補聴器が有効なことがありますのでお困りの方はお気軽にご相談ください。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が規定する一定の資格を満たした耳鼻咽喉科専門医が「補聴器相談医」を委嘱されます。補聴器相談医は、難聴者の方がそのコミュニケーションの障害に対して有効な補聴器を適切に選択し、利用していただけるよう活動しています。
補聴器相談医とは?|一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 (jibika.or.jp)
補聴器相談医名簿|一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 (jibika.or.jp)
難聴者のための聞こえを補う医療機器です。補聴器はマイクロホン、アンプ、レシーバーから構成されます。周囲の音をマイクロホンで拾い電気信号に変換します。アンプはその電気信号を増幅し、補聴器を装用する方の聴力に合わせた聞こえやすい音に加工します。レシーバーで増幅した電気信号を音に戻してイヤホンから出力します。補聴器は薬事法において厚生労働省の認定を受けた管理医療機器で、その安全性と一定の効果が認められています。そして、補聴器は個人の聴力に合わせて調整(フィッティング)できる機能が備わっています。一方、集音機は、法律で指定されていない機器で、補聴器のように個人の聴力に合わせて細かくフィッテイングすることはできません。
補聴器を利用する目的は、難聴の方が日常生活やコミュニケーションに必要な会話や音を聞き取りやすくすることによって、より良い生活を送れることなることです。日常の会話で聞き取りにくいことが多くなったと感じたり、重要な会話が正確に聞きとれないと感じたりと、日常生活に不便を感じたら補聴器の利用を考えてください。どの程度の聴力になったら補聴器が必要となるかは、その人の生活や環境によって異なります。また、難聴は認知症の危険因子の1つといわれています。補聴器の使用で聞こえを改善することで、認知症の予防にも効果があるといわれています。
補聴器は眼鏡と異なり、つけたらすぐに聞こえるようになるというものではありません。音は空気の振動として耳から入り、電気信号に変換されて最終的には脳で音として認識されます。難聴になると音の電気信号が伝わりにくくなり、脳が刺激の少ない状態に慣れてしまします。補聴器を使用して、脳に電気信号が伝わりやすくすると、はじめのうちは脳がひさしぶりの刺激に驚いてしまい、音をとてもうるさく感じてしまします。しかし、補聴器を調整しながら使い続けると、次第に脳がもとの正常な脳に近づいてきて、雑音を気にならなくなったり、うるさく感じなくなります。聞こえを改善するためには、補聴器を使用して脳の聞こえに対するトレーニングすることになります。そのため、本人の難聴による不自由を改善したいという意思がとても大切になります。
まず一般外来を受診していただき、聞こえに不自由に感じるようになった方に対して、耳の状態を診察して、中耳炎などの治療や処置が必要な疾患がないかを確認します。また、聴力検査を行い、どの程度の聴力低下があるのかを確認して補聴器の適応を検討します。ご本人のご要望なども踏まえて補聴器の適応があると判断した場合は、補聴器外来の予約をさせていただきます。
補聴器外来では、認定補聴器技能者とともに補聴器の利用目的や使用環境などを詳しくうかがい、補聴器の機種選択、聴力検査に基づく調整(フィッティング)を行い、試聴貸出を行います。相談、試聴貸出の結果をもとに補聴器の再調整や機種の変更を行います。補聴器が合わないと感じられた方は返却となります。ご希望された場合には補聴器を作製いたします。
補聴器が決まった後も、少しずつ補聴器に慣れていく必要があるため、ご要望に応じて調整を行います。また、聴力が悪くなっていないか耳の診察や聴力検査などの定期的な経過観察を行い、適切な補聴器の使い方の指導も行っていきます。
1.診断(1回目の受診):一般外来
一般外来を受診していただきます。
医師が問診・診察し、耳の状態を診察します。治療すべき病気がないか確認します。
また、聴力を評価し難聴の診断、補聴器の適応があるか判断します。
適応があると判断された場合は、あらためて補聴器外来の予約をさせていただきます。
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2.補聴器相談(2回目の受診):補聴器外来
補聴器外来の受診となります。
診察の結果をもとに、認定補聴器技能者とともに補聴器の相談、説明をします。
聴力検査の結果をもとに調整を行い、試聴貸出を行います。
日常生活の中で実際に補聴器を試用していただきます。
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3.補聴器の作製、調整(3回目以降の受診):補聴器外来
試聴貸出の結果、補聴器の再調整を行ったり、貸し出す機種を変更をします。
ご希望された場合、補聴器を作製いたします。
あわせて、取り扱いの説明もいたします。
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4.アフターケア:補聴器外来
日常生活で使用しながら、少しずつ補聴器に慣れていく必要があるため、その状況に合わせて調整を繰り返していきます。また、定期的な掃除、点検を行います。